五月は鯉のぼりが空に泳ぐ季節です。薫風に身を委ねながら、悠々たるその姿は、端午の節句を象徴しています。「鯉のぼり」という文部省唱歌の二番に「開ける広きその口に 舟をも呑まん様見えて ゆたかに振るう尾鰭には 物に動ぜぬ姿あり」とあり、その三番は「百瀬の滝を昇りなば 忽ち龍になりぬべき」と。鯉は艱難辛苦の滝登りを経て、龍に成る。これこそ武術武道に精進して行く修行者の、あるべき姿ではないでしょうか。 去る4月13日に、連盟の全国理事会が開催され、提案された議案は全て承認されました。その一週間後の19日、浅草の「台東リバーサイドスポーツセンター」で、日本古武道振興会主催の「浅草第四十三回 日本古武道演武大会」が催され、三代宗家に率いられた範士師範三名に加えて、若手中堅が演武しました。特筆すべきは女子部会の会員二名が、初めて女子護身術の演武を成し遂げたことです。今まで女子護身術の受けは、宗家か範士師範が務めていたのです。今後様々な大会や演武会で、女子部会員の演武は増えて行くでしょう。三代宗家の御決断で始められた女子部会の稽古も、既に72回を数えました。演武も一回が二回になり、十回二十回、五十回百回になった時何が達成されるのか、刮目して視るべきではないでしょうか。 すべての会員諸氏の精進を望むや切。